2011年5月5日木曜日

アマドコロ

[2011/05/05  千葉県北総花の丘公園]
スズランのような花がありました

[2011/05/05  千葉県北総花の丘公園]
袋状の花の先端は緑色のフリルになってます


【分類 / 学名】

科: ユリ科 Liliaceae
属: アマドコロ属 Polygonatum

種: アマドコロ Polygonatum odoratum (Miller) Druce var. pluriflorum (Miq.) Ohwi
英名: Angular Solomon's seal / Scented Solomon's seal
仏名: Sceau de Salomon odorant

原産地: 日本、朝鮮半島、中国
      (注)Polygonatum odoratum は中国原産ですが、多くのvar.があるようです。


【観察】

北総花の丘公園を散歩しているときに「陽だまりの広場」で見かけました。自生しているのではなく、あたかも自生しているかのように植栽されているのでしょうね。そもそも、管理の行き届いた公園内で自生している植物などほとんどないはずですから。

小さくて細長い鈴状の花が花茎(かけい)の一か所から二花ずつぶら下がっています。この鈴状の花の先は黄緑色を帯びたフリル状です。花柄(かへい)は赤褐色です。

類似種の「ナルコユリ」との識別方法は、以下の通りだそうです。
アマドコロ: 茎は角ばり、数本の稜がある。 花は一か所から1~2個。
ナルコユリ: 茎には稜線がなく円柱状です。 花は一か所から3~8個。



【話題】

<名前の由来>
アマドコロの地下茎はヤマイモ科の野老(ところ)に似ており、苦みのある野老(ところ)に対して、アマドコロのそれは甘いため、甘い野老(ところ)という意味で、甘野老(アマドコロ)になったとのことです。

<英仏の俗名>
どちらも「ソロモン王の芳しき印璽(いんじ)」という意味になります。ずいぶんと仰々しい名前ですね。

<山菜>
茎や根茎には甘味があり、山菜として食用にされるとのことです。レシピの一例としては、芽は生のままきざみ、地下茎は皮をむいて薄く切り、スライスしたタマネギとともに薄めの衣でかき揚げにするもので、サクサクとして歯ごたえと甘みのある山菜料理になるとのことです。

<香り>
学名のodoratum 、仏名のodorant 、英名の scented はどれも「芳香のある」という意味です。次回見かけたときは香りを確認してみなくては。

<生薬>
根茎を乾燥させたものは玉竹(ぎょくちく)または萎蕤(いずい)と呼ばれる生薬で、その効果は滋養強壮とのことです。アマドコロ茶、アマドコロ酒にして摂取するそうです。

アマドコロの近似種であるナルコユリの根茎は黄精(おうせい)と呼ばれ、江戸時代の俳人の小林一茶も愛用したとのことです。そのおかげかどうかは分かりませんが、52歳の時に28歳の妻を娶り五人の子供を授かったと語られています。

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【英仏語の勉強】

漢方(医学)
英語: traditional Chinese medicine
仏語: médecine traditionnelle chinoise

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