2011年5月4日水曜日

ヘラオオバコ

[2011/05/03  千葉県北総花の丘公園]
葉が在来のオオバコより細長いので「ヘラ」オオバコ

[2011/05/03  千葉県北総花の丘公園]
三角帽子に一重の首巻きフリル、ユニークな意匠
戦国時代にやってきた南蛮人の服装を連想します

【分類 / 学名】

科: オオバコ科 Plantaginaceae
属: オオバコ属 Plantago

種: ヘラオオバコ Plantago lanceolata L.
英名: Ribwort plantain / English plantain / Narrowleaf plantain.
仏名: Plantain lancéolé
原産地: ヨーロッパ(現在は世界中に分布)


【観察】

草原でしばしば見かける植物です。三角帽子に一重の首巻きフリルのユニークさは形状識別能力が弱い私でも記憶に残ります。

写真でも明らかなように、在来種のオオバコに比べて、細長い葉を持っているので、もはや「大葉子(おおばこ)」とは呼びにくい。でもオオバコ属の植物には違いない。それで、葉の特徴に敬意を表して「ヘラ」オオバコと命名されたようです。英語の俗名のNarrowleaf plantain と同じ発想の命名ですね。


【話題】

<オオバコ属は世界に200種>
世界中で繁茂する植物の属ですから、200種という数字も納得です。個人的には、とりあえず、在来種のオオバコとこのヘラオオバコを確実に識別できるようになりたいです。

<薬用植物・健康食品>
オオバコ属の植物は古くから世界中で民間薬として利用されてきた経緯があるそうです。最近は、健康食品としても注目されているようです。

<健康食品の安全性・有効性情報>
インターネットで検索しているうちに、とても役に立ちそうなサイトに出くわしました。それは「独立行政法人国立健康・栄養研究所」の「健康食品の安全性・有効性情報」というサイトです。植物についての一般知識も増えるし、ある植物を実際に摂取してみようかなと思ったときに、実際にどの程度の危険性があるのかを知ることができます。以下のURLです。
http://hfnet.nih.go.jp/

<ヘラオオバコについての安全情報>
上記のサイトによると、たとえば、ヘラオオバコに関して、詳細な情報があるのですが、総合評価の「安全性」のところだけを要約すると以下のような趣旨のことが書かれています。(転載禁止ですので表現を自分なりに変えました)
「葉を適量食べるなら(関連文献から)安全性が示唆されています。でも、多量に摂取すると下痢や血圧降下を起こすかもしれません。また、オオバコの葉を食べると子宮収縮を誘発する可能性がありますので、妊娠中は危険だと思われます。」
自分なりに解釈するなら、「数枚摘んできて、天ぷらにして食べる分には問題ないでしょう」というところでしょうか。ある別のサイトに「水田や畑近くのものは農薬の危険があるので食べないように」との注意書きがありましたが全く同感です。里山の散歩をしていると水田わきに除草剤を散布しているのをよく見かけますから。

<添加飼料としての利用>
「飼料ハーブ」と名付けて、家畜の飼料に混ぜ、肉質を商業的に改善するために使われているようです。たとえばニワトリの飼料に5%のヘラオオバコ乾草を添加すると、肉の脂肪分が減り、肉色が良くなり、貯蔵性が向上し、酸化臭が減少するなどの効果があるそうです。つまり、私たちは、食肉を食べることで、もうすでにヘラオオバコを間接的に摂取しているんですね。

一般的な都会人なら名前もしらないし、横を通っても注意を向けることもないと思われるヘラオオバコがこんなにも深く私たちの食生活や食文化にかかわっていたとは驚きました。

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