2011年5月14日土曜日

ニワゼキショウ


[2011/05/06  千葉県北総花の丘公園]
このところ紫色の六枚の花弁の小さな花が目立ってきました



【分類 / 学名】

科: アヤメ科 Iridaceae
属: ニワゼキショウ属 Sisyrinchium

種: ニワゼキショウ Sisyrinchium rosulatum
英名: Annual blue-eyed grass
仏名: Bermudienne
原産地: 北米


【観察】

花径が5mm ほどの小さな花の植物です。ここ北総花の丘公園、その周辺の里山で目につくようになりました。


【話題】

<アヤメ科の植物>
あの大きなアヤメと同じ科の植物でした。同じ科どころか、同じ属でも草丈が大から小までいろいろあるのが常であることを知りましたが、それでも、この二つの植物が親類であると知ることはちょっと楽しいです。ニワゼキショウとアヤメとの花期が重なっているのがまたいいですね。

<和名:庭石菖の由来>
庭によく生える「石菖」に似た植物なので庭石菖(にわぜきしょう)とのことです。セキショウ(石菖)とはサトイモ科ショウブ属の植物で、山野の水辺などに見られるそうです。

<ショウブ(菖蒲)はサトイモ科でハナショウブ(花菖蒲)やアヤメはアヤメ科>
同じ「菖」の字で表わされる植物なのに、セキショウ(石菖)やショウブ(菖蒲)はサトイモ科で、ハナショウブ(花菖蒲)やアヤメ(菖蒲)やニワゼキショウ(庭石菖)はアヤメ科。異なる科や属の植物が同類のような名前(特に俗名)をもつのは植物の世界では珍しくもないことですが、頭の整理整頓が必要になります。

<北米からの帰化植物>
明治の中ごろに北米から渡来したとありあます。多くのサイトでは、観賞用に渡来したものが野生化したとしていますが、別のサイトでは、雑草として渡来して日本に広がったとして、「観賞渡来説」を否定しています。個人的な直感では、「明治の中ごろなら、欧米には、日本人がまだ見たことのなかった、人目を引く観賞用の植物が何百もあっただろうに、このような花径5ミリほどの目立たない花の植物をわざわざ観賞用として取り寄せるだろうか?」と考え、「雑草渡来説」に一票を投じたいところです。

<欧米サイトでは Sisyrinchium rosulatum は白っぽい花>
Google で「アメリカ合衆国」とか「フランス語」などのサイトに限定して検索し、それらのサイトでこの学名の花の写真を見ると、そこにあるのは、基本が白色で中心部が紫がかった花です。自分が知っている「赤紫色のニワゼキショウ」とはまるで別物のように思えます。「観賞渡来説」といい、花の色の違いといい、何か怪しげなものを感じます。このなぞ解きをしてくれる説明を探す必要がありそうです。

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