2011年5月18日水曜日

キツネアザミ

[2911/05/14  千葉県印西市]
畑の脇にキク科のような植物
[2011/05/14  千葉県印西市]
アザミのような花です

【分類 / 学名】

科: キク科 Asteraceae / Compositae
属: キツネアザミ属 Hemistepta
種: キツネアザミ Hemistepta lyrata (Bunge) Bunge
英名: 不明
仏名: 不明
原産地: 台湾、中国、朝鮮半島、インド、オーストラリア、日本(本州・四国・九州・沖縄)


【観察】

日当たりのよい畑の脇にありました。一見してキク科です。花を見るとアザミによく似ていますが、トゲがありません。インターネットで検索してみたのですが、分からず、数日忘れていましたが、ある植物観察会に参加して、ついにこの植物の名前が分かりました。


【話題】

<キツネに化かされた?>
アザミだろうと思っていたら、本当のアザミではなかった。それでキツネに化かされたような、ということでキツネアザミとよばれるとのことです。

<欧米では超マイナー>
分布をみても理解できることですが、欧米に原産しない植物で、園芸品種になりそうもないのですから、一般の欧米人どころか、欧米の植物学者もほとんど興味を示さない植物のように見受けられます。

<史前帰化植物?>
多くのサイトで、キツネアザミもまた「史前帰化植物」として紹介されています。そもそも史前帰化植物とは何なのかを知りたくなって調べてみました。要約すると以下の通りです。

提唱者: 前川文夫(1908~1984)植物学者

有史前に日本に持ち込まれた植物を3つに分類。
1.水田耕作に伴って渡来した植物群(東南アジアの水田や沼沢地に共通な水田の雑草として適応した植物群)
2.麦栽培に伴って渡来した植物群(麦とともに芽生えて雑草として成長する麦畑の植物群)
3.有用植物として持ちこまれた植物群

例えば、キツネアザミは2の麦栽培に伴って渡来した植物群の一つとされています。

感想: 雄大なスケールで植物の伝播を描いた学説で魅力的です。ただし、地層に残された花粉分析、遺伝子分析などの研究の集積による地道な裏付けの努力を必要とする学説でもあるように思われます。裏付けの研究がどのように進められているのか知りたいところです。

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